研究紹介
本研究室では、面白いと思った研究テーマには積極的に取り組むようにしていますが、主な研究分野は次のとおりです。
観光分野
観光をするとき、人はどんな経験、体験をしたいと思うでしょうか。既存の多くのシステムが”効率よく”観光をすることを支援していますが、本当に効率が大事でしょうか。本研究室では、観光を“楽しく”することを目標に、多様な観光行動を促す、観光スポットへの移動を促進する、新しい発見をする経験を与えるような観光支援システムに関する研究を行っています。
- ナビゲーションシステム
- あえて地図情報を見せないアプローチ など
- 観光スポット推薦システム
- 「発見」する経験を与える情報提示 など
- 観光情報共有システム
- このとき、この場所でしかアクセスできない情報共有 など
システムのデザインに“不便益”のデザイン手法を取り入れ、不便益システム研究所の活動にも参加しています。
防災分野
自然災害の多い日本では、災害対策に関する取り組みが盛んです。しかし、災害対策は地域住民を対象としたものが中心となっています。日本語のわからない外国人観光客、一時的に滞在している観光客や通勤・通学者など多様な人を想定した災害対策が今後重要となってきます。本研究室では、さまざまなユーザを想定して、防災、または避難に関する行動を支援するためのインタフェース設計に取り組んでいます。
- 避難行動支援システム
- 無言語化による避難行動支援システムのユニバーサルデザイン化 など
- 当事者意識を感じさせる情報提示 など
- 災害状況共有システム
- 多様なユーザを想定した被害状況・避難状況の共有システム など
- ユーザの適応的な行動を促す情報提示 など
思い出工学分野
災害発生後に被害にあった写真や思い出の品を回収し、元の状態に戻して被災者に返すという活動を知っていますか?普段意識することはあまりありませんが、思い出は人にとってとても大事なもので、その思い出を想起するために思い出の品は貴重なものです。では、思い出の品がない思い出はどうでしょうか。本研究室では思い出という情報を対象に、それを入手し、管理し、活用するための研究をしています。
- 思い出想起支援システム
- 思い出共有によるコミュニケーション支援システム
- 思い出情報を利用した人の活動、行動支援
- 思い出情報の収集システム
回想法支援分野
思い出を想起し、語ることで脳が活性化し認知機能の低下が抑えられることが期待されており、認知症の非薬物療法の一つである回想法ではこのアプローチがとられています。しかし、専門家と一緒に回想法に取り組むことはできても、そのような場を日常的に頻繁に設けることは難しいです。そこで本研究室では日常的に思い出の回想を支援するような対話ロボットやモノの設計に取り組んでいます。
- 回想法アプローチによる対話ロボット設計
- 日用品との対話デザイン
日常的に記憶の想起を促すことで高齢者の認知機能を維持、または改善させることを目的とした情報システムによる支援環境の構築に取り組んでおり、本研究は立命館大学R-giroプロジェクトに採択されています。
運転支援分野
自動車の制御に関する技術は高度化し技術の精度に目を向けられることが多いですが、自動車は人を乗せる乗り物であり人との関わりは必要不可欠です。本研究室ではドライバ―をはじめとする人にとって認知しやすい情報提供や、安全運転を促す仕掛け、また過ごしやすい車内環境に関する研究をしています。
- 認知しやすい道路案内
- 走行速度を抑えるための仕掛け
- 車内でのコミュニケーション促進
- 歩行者や自転車,他車とのコミュニケーション
分散アルゴリズム設計
複数の計算機がネットワークで接続されたシステムを分散システムといいます。目的のタスクを効率よく遂行するために複数の計算機を協調動作させる手法が分散アルゴリズムです。泉は、ネットワーク中を計算主体が移動する分散システムを対象とした分散アルゴリズム設計も行っています。主に次のテーマの研究を行っています。
- モバイルエージェントを対象としたアルゴリズム設計
- 平面上を移動するロボットを対象としたアルゴリズム設計